1/6ページ目 「──ねぇ、ドイツ…」 小さく、孤立した言葉が闇に消える。 もう既に閉じられた瞳。 返事も無くそっと彼の頬に触れてみる。 普段の様子からは想像も付かない程 柔らかく、安らかな表情。 下ろされた髪のせいで、 一段と穏やかさを増したその顔で、 小さく寝息をたてている。 クスと、思わず笑みが零れる。 静かに手を引いた。 「………っ」 離れ、失った温かさの代わりに、 また再び冷たい感情が自分を襲う。 「────ドイツ…」 もう一度彼の名を呼ぶ。 人形にでも話し掛けているような自分が、 ひどく滑稽に思った。 決して返されることは無い、言の葉。 強く、シーツを握る。 「…ねぇ、ドイツは。」 独り言…そう、これはただの独り言。 普段生活している間は こんな思考、頭を掠りもしないのに。 夜、闇に包まれ静かになると、まるで 自分の心まで闇色に染め上げられ、 心や感情まで冷たくなって ざわめく自分の心に、気付いてしまうんだ。 そう… 決して本人に聞くことはできない、 俺の、心の中の声。 聞いてはいけないのだろう、禁断の問。 「…ドイツ、は」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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