1/4ページ目 「わああああん!お兄ちゃあああああん!」 ――出会い頭に局部にヘッドバットを食らわされる。いいタックルだ。 じゃなくて、マンションのドアを開けた瞬間に現れた男児が、ぐしゃぐしゃに泣きながら俺の足元に抱きついてきたのだ。 「はるちゃんがせいくんいじめるのぉ〜!」 「ちがうよぉ!せいがわるいんだよ!」 「だってはるちゃんたたいた!」 「だって『はるちゃんはせいくんより小さい』って言うから!」 「あー…わかったわかった、大体わかった」 局部の痛みで黙っていた間に、二人の争いの原因をなんとか理解した。 要するに弟の遼(はるか)は兄の星夏(せいか)に小さいと言われて腹が立ち、星夏を叩いてしまったというわけか。 少し離れたリビングの入口からふて腐れた顔で俺と星夏をじっと見ている遼。 やばい、泣く寸前の目だアレ。 「…せい、先にはるのこと小さいって言ったのは、せいなんだろ?だったら、せいがはるに謝んなさい」 「やだっ…はるちゃんきらいっ」 (あ、やべ…) 「…ふ…っぅ…うああああぁん」 …四歳児と五歳児の泣き声が俺を責め立てる。 (…俺も泣きてぇ…) 自分が何歳児だったか思い出そうとしたら、もう十九だった。 俺と弟 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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