2/10ページ目 【よいこの人間観察:篠樹編】 ◆はるかのばあい 「やあ遼君。こんにちは」 「こんにちわっ」 「君はとても元気だね。お兄ちゃんがお迎えに来るまで、お利口にしていられるかな?」 「うんっ」 「よろしい」 …なんだ、ふつーのおじさんじゃん。 せいがこわいっていうくらいだから、すっごいヘンタイとかなのかなって、おもってた。 いや、しろいながいふくきてるから、あくのそしきのかがくしゃかもしれない。 「ねぇおじさん」 「なにかな」 「おじさんってなにもの?」 「ふふっ、何者か。面白い尋ね方を知ってるんだね君は」 …なにものってきかれてわらうのって、やっぱりあやしい。 『はっはっは!みやぶられたならしかたない!』ってしょうたいをあらわすわるものみたいだもん。 「私はただの、学校の先生だよ。君のお兄さんに勉強を教えているんだ」 「せんせー?兄ちゃん、おじさんのことせんせーってよんでないのに」 たしかいつも、きょーじゅってよんでた。 「そうだね。確かに、他の先生は『先生』と呼ばれている。だけど私は『教授』と呼ばれる方がなんとなく好きでね。あだ名のような感覚で呼んでもらっているんだ」 「…ふ〜ん」 よくわかんないけど、兄ちゃんがぼくのこと『はるか』じゃなくて『はる』ってよんでるのと、おなじことかな。 「君は私を何者だと思ったんだい?是非聞かせてくれないかな」 「んとね、あくのそしきのかがくしゃ」 「はっはっは、悪の組織か。まあ科学者なのは、あながち間違ってないけどね」 「あくのそしきじゃないの?」 「どうだろうねえ…?」 するとおじさんは、よんでたほんをつくえにおいて、ぼくのまえにしゃがんだ。 かおがちかくなっても、こわい人ってぜんぜんおもわなかった。にこにこしてるし。 「君が私を悪者と思うかどうかは、君が考えて決めるといい」 「ぼくが?」 「そう。私がどんな研究をしているか教えるから、それが悪いことだと思ったら、私を悪者と思えばいい」 「う〜ん…わかった」 「よろしい…」 と、きゅうにおじさんのこえがかわって、かたがびくってした。 にこにこしたままなのに…なんとなくこわくなってきた…。 「……私はある人の命令により、人には言えない危ない薬を作っている」 「あ…あぶない、くすり…?」 「そうだ。人間の記憶を消したり、人間の考えることを操ることが出来る薬をね」 「そ、それって、わるいこと…だよ、ね?」 「さあねえ…私はもうわからなくなってしまった…」 わらいごえをあげながら、しろいふくのしたの、あおいシャツのポケットに手をいれるおじさん。 ま、まさか…まさか…! 「君も…試してみるかい…?」 「きやあああああああっ!!!」 おじさんの手がポケットからでてくるまえに、いそいでほんだなのかげにかくれた。 「あはは、本気で信じてしまったようだね。今のは全部嘘だから、出ておいで?」 「いっ、いやだっ!おまえやっぱわるものだっ!」 「そうか、どうも私は子供を怖がらせる才能があるようだ、うん」 …せいのいうとーりだったっ! [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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